株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長
こんにちは。大前研一です。
この度、東京電力の原子力改革監視委員会のメンバーに就任いたしました。私は、事故が起こった後、圧力容器だけでなく格納容器の底まで抜けているのではないかということを指摘し、事故の分析を昨年一年かけて行いました。
福島第一の事故には物理的な原因がまずあって、それに対して組織や人がどう対応したかということを究明していくべきなのですが、今までの4つの事故調いずれも物理的な原因や津波など自然災害のせいにしており、本当の事故の原因は分析していないと思っております。
そのために対策も後手に回り、国民に納得される対策が提案されていないと考えております。
この度、東電が、これを自らの責任においてやるということを伺いましたので、私なりの貢献ができるのではないかと思い、この委員会に参画することにいたしました。
分析の力がなかったのか、あるいは隠ぺい体質があるのか、今まで東電はこの事故について、少なくとも私とは大分違う見解を出しております。
この点について、私なりに、かつて原子炉の設計に携わった者として、今回の事故を克明に分析して、国民にわかりやすく説明し、そしてまた、対策もあるとすれば提示していきたい、こういった点で、他の委員の方々とも協力しながら、作業に参画させていただきたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
1970年 | マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得 |
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1970年 | 株式会社日立製作所に入社、原子力開発部技師 |
1972年~1994年 | マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任 |
1996年 | アタッカーズ・ビジネス・スクール塾長 |
1997年 | カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院公共政策学部総長教授 |
1997年~1998年 | スタンフォード大学大学院経営学部(MBA)客員教授 |
1998年 | 株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長 |
2005年 | ビジネス・ブレークスルー大学大学院学長 |
2010年 | ビジネス・ブレークスルー大学学長 |
2011年 | TeamH2Oの総括責任者として、報告書「福島第一原子力発電所事故から何を学ぶか」をとりまとめ、細野豪志環境相兼原発事故担当相に提出 |