第1回原子力改革監視委員会

2012年10月12日

開会

(鈴木事務局長)
皆様、おはようございます。
定時になりましたので、第1回の原子力改革監視委員会を開会いたします。私は、本委員会の事務局長の鈴木一弘でございます。
この原子力改革監視委員会は、東京電力株式会社が、経営体質や安全文化の改革を推進することを目的に、東京電力の取締役会の諮問機関として設置したもので、原子力改革に関する取り組みについて、国内外の専門家・有識者に外部の視点で監視・監督いただき、改革の確実な実行につなげることを目的としてございます。
今回は初回ということで、まず私から議事次第の案を紹介いたします。後ほど委員長が決まってからは、委員長に委員会の進行をお願いしたいと思います。
最初に委員及び東京電力からの出席者を紹介いたします。それに続いて委員の皆様には、委員長の選任等をお願いしたいと思います。その後、東京電力から本委員会への諮問内容の説明を受け、本委員会の進め方に関する運営要領、すなわち基本ルールを議論していただきたいと思います。続いて、東京電力から原子力改革への取り組みの状況について説明を受けます。その後、委員会としての具体的な取り組みについて、委員だけで議論いただく時間を用意させていただいております。
以上、本日は12時頃までの会議という時間で予定させていただいております。終了後、13時からプレス会見を予定してございます。

各委員の紹介

(鈴木事務局長)
最初に、私から委員の方々を紹介いたします。アルファベット順で名前を読み上げさせていただきます。委員の皆様には簡単な自己紹介をお願いいたします。まず、デール・クライン氏です。デール・クラインさん、よろしくお願いいたします。
(クライン委員)
クラインでございます。私は原子力工学の分野で学位を取っておりますが、現在はオースティンにありますテキサス・システム大学で教鞭を取っております。その前はアメリカの原子力規制委員会(NRC)の委員長を務めておりましたので、原子力の安全面や規制面については非常になじみがございます。
(鈴木事務局長)
ありがとうございました。続いて、バーバラ・ジャッジさん、お願いいたします。
(ジャッジ委員)
イギリスの英国原子力公社の名誉会長をしております。特に廃炉ですとか、または首相に対しまして原子力発電所の新設についての諮問などをしておりましたので、安全文化ということについては非常になじみがあると思っております。今回この委員会の委員をさせていただけることを大変光栄に思っております。
原子力というのは将来的にもエネルギーミックスの中で重要な役割を占めていくと思っており、原子力というのは安全であり得るという考えを持っております。これからよろしくお願いします。
(鈴木事務局長)
ありがとうございました。続いて、大前研一さん、よろしくお願いいたします。
(大前委員)
私は学生時代に原子炉の勉強をして、日立で炉心の設計をやっていたという経緯があるのですが、過去40年間は経営コンサルタントとして、原子力の分野を離れておりました。
去年、日本の政府及び東電などの福島第一事故の調査結果を見ていると、これは真実が出ていないということで、自分で細野大臣に一人事故調でスタッフに対するアクセスさえくれたら自分が分析すると、そして政府のやっていることがうまくいかなかった時には、セカンドオピニオンとしてこれを使ってもらいたいということで、自発的に分析をして、去年の12月にすべての報告を日本語と英語で出しました。
そういう経緯で、また原子力に40年ぶりに戻って来たということなんですけど、今回、東電の改革に当たって、その分析の結果及びその分析のプロセスとそれからこれをどうやって原子炉を抱えている地元の人たちへの説明に使ったら良いのかということを私は色々と自分で持っていますので、この場でそういうことが表明できればと思って参画しました。
(鈴木事務局長)
ありがとうございました。続いて、櫻井正史さん、よろしくお願いいたします。
(櫻井委員)
櫻井でございます。私は今までのお三方と違って、原子力について特別な知見がある訳ではございません。
しかし、検察庁それから防衛省の防衛監察監として、緊急時あるいはリスク顕在化時にどのような対応をすべきかということを色々と経験してまいりました。その意味で一般的にこの原子力事故についても、どのような備え、あるいは起こってしまった時にどのような対応をするのかということについて、きちっとしたことが必要であろうということを考えております。
また、既にご承知と思いますが、昨年の12月から今年の7月まで国会に設けられました福島事故の調査委員会の委員として、7ヶ月弱、東京電力あるいは政府その他のところとの関係について検証させていただきました。その結果等につきましては既に報告書が提出されているところで、それを見ていただければお分かりと思いますが、私どもはあの調査はいわば出発点であって終点ではないと、その意味では今回の東京電力が原子力の改革というものを進んでやられるということで、それについて私どもが色々思っていたことがどれだけ反映できるのかということについて、しっかりと私どもが見させていただき、また必要なアドバイスをしていきたいと思います。
特に客観的な安全性だけではなく、住民あるいは国民からの信頼・安心というものを抜きに、これからの原子力問題の取り組みはできないと思っておりますので、その点も含めて東京電力がどのようにこれから変わっていくのかという点について、十分検討させていただきたいと思います。以上です。
(鈴木事務局長)
ありがとうございました。あと委員会には東京電力から下河邉和彦会長が入ってございますが、下河邉会長には後ほどこの委員会に対する諮問内容の説明をお願いしたいと思います。委員は以上の5名でございます。
続いて本日の委員会に対する東京電力の説明者をご紹介いたします。まず、廣瀬直己氏。廣瀬氏は、東京電力代表執行役社長で、原子力改革特別タスクフォースのタスクフォース長でございます。それから相澤善吾氏。相澤氏は、東京電力代表執行役副社長、原子力立地本部長で、原子力改革特別タスクフォースのタスクフォース長代理でございます。それから姉川尚史氏。姉川氏は、東京電力の原子力設備管理部長で、原子力改革特別タスクフォースの事務局長でございます。
今日の出席者は以上でございます。

委員長の選任

(鈴木事務局長)
原子力改革監視委員会は、東京電力が世界最高水準の安全意識と技術的能力、社会との対話能力を有する組織に生まれ変わることを目的とし、必要な改革を外部の視点や海外の知見を活用し監視・監督いただくため、東京電力の社外取締役が過半を占めている取締役会の諮問機関として設置したものである。
(櫻井委員)
特にご意見ございますでしょうか。ないようでしたら、私の方としては、これまれのご経験や色々なことを考えまして、デール・クライン氏が議長あるいは委員長として進めていただくのが良いのではないと思っておりますが、他の委員の方はいかがでしょうか。
(ジャッジ委員)
支持したいと思います。
(鈴木事務局長)
いかがでしょうか。大前先生いかがでしょうか。
みなさん、ご意見がないようでございますので、クラインさんに本委員会の委員長をお願いしたいと思います。
(クライン委員長)
ありがとうございます。まず、議長としての信任をいただきましてありがとうございます。
私どもは、この委員会としては独立性をもって、また率直な忌憚のない評価をする立場として活動を続けていきたいと思います。ですから場合によっては東京電力が聞きたくないようなことを申し上げるようなこともあるかもしれませんが、最終的に率直な提言を出していくことができればと思っております。
やはり、世界で原子力というのはこれからも重要なエネルギー供給の一部となるということは日本も認識するべきだと私は思っております。ですが、そのためにはまず東京電力が大々的な改革を行うことが必要です。今の段階では脆弱性があるということがわかっておりますが、これをなくして改革していくということが非常に重要です。
日本の製造業は非常に高品質で知られているわけで、その日本の企業の一員である東京電力が世界的に第一流の原子力組織になれないことは決してないと思います。それをできるようにするために、私どもも貢献していきたいと思っております。
やはり、日本が、そして東京電力が世界に目を向けるということが重要だと思っております。特に2つの組織、1つはIAEA、ここは世界の原子力の安全向上のために何をしなくてはいけないかということについて常に目を向けている組織でありまして、そこからの情報をぜひ聞き取っていただきたいと思いますし、もう1つはINPOと呼ばれていますが、この組織もまた非常に重要な活動を原子力の世界において行っております。こうした形で私どもも広く世界に目を向けつつ、独立して率直な形でアドバイスを申し上げる形で今後やっていきたいと思います。

東京電力取締役会から原子力改革監視委員会への諮問

(鈴木事務局長)
それでは最初に、東京電力取締役会から本原子力改革監視委員会に対する諮問内容について、下河邉東京電力会長から説明いただければと思います。お願いします。
(下河邉会長)
会長の下河邉でございます。
それでは当社、東京電力取締役会からこの原子力改革監視委員会への諮問につきまして、その内容を簡単にご説明申し上げます。
東京電力は、平成24年9月11日に取締役会の決定に基づき、取締役会の諮問機関として、「原子力改革監視委員会」及び「調査検証プロジェクトチーム」を設置すること。 二つ目、福島原子力事故に対する深い反省のもとに原子力改革を迅速かつ強力に推進していくため、社長をトップとする「原子力改革特別タスクフォース」を設置することを内外に公表いたしました。
これに基づきまして、貴委員会に次のとおり諮問する次第でございます。
一つ、世界最高水準の安全意識と技術的能力、社会との対話能力を有する原子力発電所運営組織の実現に向け、必要な改革を迅速かつ強力に実行することを目的に設置された「原子力改革特別タスクフォース」の取り組みについて、外部の視点で監視・監督すること。
二つ、各原子力事故調査報告書の主要論点をふまえ、「調査検証プロジェクトチーム」の運営方法を含め、課題と対策強化の方向性の整理を行うこと。
以上の結果を当取締役会に報告いただくこと。以上でございます。
委員会の各委員におかれましては、この諮問内容を踏まえ、どうぞよろしくお願いしたいと思っております。

(以降、議事概要をご参照ください。)

フォトギャラリー