原子力安全改革プラン進捗報告(2013年度第2四半期)に係るクライン委員長のコメント
2013年11月1日
クライン委員長のコメント概要
- 1.東京電力の原子力改革の進捗について
- 期待していたよりも遅いペースではあるが,東京電力の原子力改革は,着実に進捗している。原子力安全改革は長い旅路であり,一朝一夕に改革できるものではない。原子力改革監視委員会としては,今後とも安全文化を中心に原子力改革の進捗を監視していきたい。
- 2.安全対策に安住すべからず
- 原子力業界で最も問題となるのは,現状に安住するということである。東京電力が,現在行っている安全対策に安住しないよう,常に安全を向上させる努力を行っているか監視していく。原子力発電所の運転・保守に携わる者は,毎日仕事をする際,さらなる安全性向上を意識し,お互いに切磋琢磨する必要がある。
- 3.前進し続けるべし
- 改革を進める中では,ポジティブなこととネガティブなことが,どうしても混在する。改革は着実に進捗しているが,何かトラブルが起きると,非常にがっかりする。とりわけ汚染水の問題に関しては,東京電力にその問題を処理する能力がないかのように見られてしまう。一方,東京電力の社員は,昼夜を問わず対応にあたるなど,その頑張りには頭が下がる。東京電力は,必要な改善をしっかり行いつつ,前進し続けることが重要である。
- 4.コミュニケーションの抜本的な改善をすべし
- 東京電力は,透明性を重視し,何かを隠していると思われないようにする必要がある。何か事象が起きたとき,技術者は,あらゆる事実を確認するまでは公表したがらない面があるが(自分も技術者であるから,その気持ちは分かる),現時点で何が分かっていて,何が分かっていないのか,どのような対応をしているのかをすぐに公表するべきである。また,海外向けのコミュニケーションを抜本的に改善する必要がある。特に海外向けには,ただ単に事実やデータだけを示すのではなく,そのデータにどのような意味があるのかをメッセージとして発信すべきである。
配布資料・議事概要
- 「原子力安全改革プラン進捗報告(2013年度第2四半期)」の概要(77KB)
- 原子力安全改革プラン進捗報告(2013年度 第2四半期)(1,009KB)