原子力安全改革プラン進捗報告(2014年度第3四半期)に係るクライン委員長のコメント

2015年2月3日

原子力安全改革プラン進捗報告(2014年度第3四半期)に係るクライン委員長のコメント

1.原子力安全文化

  • 原子力安全文化は、現場第一線の管理者や作業員まで浸透させることが重要である。1月に発生した死亡災害に関しては、このような事故を二度と繰り返さないために、徹底的な根本原因分析が必要である。
  • 東京電力は、現場第一線まで「工程」よりも「安全」が優先であることを示さなければならない。

2.福島第一原子力発電所

  • 東京電力は、タンク汚染水の全量処理が当初の期限に間に合わないことを公表したが、これは汚染水処理において「工程」よりも「安全」を重視したという意味で、前向きなことと捉えている。
  • 4号機使用済燃料の取り出しが安全に終了したことは、大きな前進と評価できる。また、東京電力が途中作業を止めて、より安全な方法を決定するプロセスを取ったことは、安全文化の浸透を明示するものである。

3.柏崎刈羽原子力発電所

  • 柏崎刈羽では高台に貯水池を造り、重力により炉心と使用済燃料を冷却するシステムを構築するなど、深層防護の考え方に基づいた安全対策が着実に進められていることは評価できる。
  • 東京電力は、世界の好事例をベンチマークするとともに、福島の教訓を踏まえた取り組みや改善を世界に発信するなど、国際的な双方向の対話が重要である。日本は世界から学び、世界は日本から学ぶ必要がある。

4.重要評価指標(KPI)

  • 今回、東京電力が定量的な評価が難しい改革の実現度合いを測るKPIを作成したことは、大きな前進と評価できる。原子力改革監視委員会としては、KPIによる安全文化の測定とKPIを活用した改善がうまく機能していくか監視していく。