原子力安全改革プラン進捗報告(2014年度第2四半期)に係るクライン委員長のコメント

2014年11月5日

原子力安全改革プラン進捗報告(2014年度第2四半期)に係るクライン委員長のコメント

東京電力がとりまとめた原子力安全改革プラン進捗報告(2014年度第2四半期)の内容を確認した。総じて、原子力安全改革は着実に進捗していると考えられるが、その進捗度合いを定量的に把握しつつ、さらに改革を推進していく必要がある。

 

1.安全文化

  • 安全文化は着実に浸透しつつあると考えられるが、現時点では未だその浸透度合いを定量的に把握することができていない。以前から提言しているように、安全文化の浸透度合いを測るための重要評価指標(KPI)を早急に策定すること。
  • 現場第一線の管理者クラスにまで安全文化を浸透させ、実践力を向上させていくことが重要である。

2.福島第一原子力発電所

  • 4号機の使用済燃料プールからの燃料取出しが、これまで事故も無く、順調に作業が進められていることは、安全文化の浸透とその実践という面からも評価できる。
  • 多核種除去設備(ALPS)に改良が重ねられていることに加え、その他の汚染水浄化設備も増強しており、汚染水処理は着実に進んでいる。

3.柏崎刈羽原子力発電所

  • 柏崎刈羽では、福島第一事故の教訓を踏まえた安全性向上策が確実に進められている。また、安全文化も浸透しつつあり、以前よりも安全かつ強固な発電所になってきたと評価できる。
  • 世界中が柏崎刈羽の再稼働に向けた準備状況に注目している。

 

改革に一生懸命取り組んでいる東京電力社員、及び原子力改革監視委員会の活動をサポートしてくれている各委員に感謝を申し上げたい。今後も更なる安全の向上を期待している。